ヘルニコアはどのような薬?
ヘルニアを起こしている椎間板の髄核内に直接注射する治療法です。コンドリアーゼ腰椎椎間板ヘルニア治療剤の有効成分が髄核の構成成分を分解することで飛び出た髄核を縮小し、神経への圧迫を改善し、 痛みやしびれを軽減することができると考えられています。
原則入院の必要はなく、治療後数時間の安静の後、体調に異常がなければお帰りいただけます。
ヘルニコア注射の流れ
- 1. 受付後、外来より手術室へ移動
- 2. 手術台に横になり、体の位置を調整
- 3. X線でヘルニアのある椎間板を確認しながら針を刺す場所を決定
- 4.針を刺す位置を消毒し、局所麻酔する
- 5. 椎間板内に針を刺し、ヘルニコアを注入
- 6. 手術室内で30分程度安静にする
- 7. 問題なければ医師の診察を受け帰宅
ヘルニコア注射の注意点
- ・ヘルニアの形や出ている位置によってはヘルニコア注射の適応とならず、他の方法での治療をお勧めする場合があります。
- ・効果が出始めるのに2週間~1ヶ月程度かかります。ゆっくりと症状が改善する治療法です。
- ・ヘルニコア注射の後に一時的に腰痛が強まったり、新たな腰痛が起こったりする場合がありますが、通常は時間の経過とともによくなっていきます。
- ・過去にヘルニコア注射を受けたことのある方は再度この治療を受けることができません。
- ・投与によるアナフィラキシーの発現(かゆみ、蕁麻疹などの皮膚症状、腰痛、吐き気などの消化器症状、視野が狭くなるなどの視覚症状)の可能性があります。アレルギー体質の方はヘルニコア注射に注意が必要です。
ヘルニコア注射の費用について
- ヘルニコア注射は保険適応になり、一般的には3割負担で約4万円となります。
当院は椎間板酵素注入療法実施可能施設として認定されています。
ヘルニコア注射についての治療論文
臨床雑誌整形外科 71巻13号 (2020年12月) 今日の話題 腰椎椎間板ヘルニアに対するコンドリアーゼ化学的髄核融解術治療初期30例の臨床成績 神谷 光広 1 , 花村 俊太朗 1 , 竹中 裕人 2 1あさひ病院整形外科 2あさひ病院リハビリテーション科
あさひ病院 脊椎外科